麻酔・疼痛治療医学分野 救急救命士挿管訓練
「気管挿管認定救急救命士」となるためには、救急救命士がさらに、気管挿管に関する講習を受講、全身麻酔症例において30例以上気管挿管を成功実施した後、認定を受ける必要があります。徳島大学病院においては、2009年より救急救命士を受け入れ、患者様を対象とした全身麻酔症例における気管挿管の実習を行っています。
「気管挿管認定救急救命士」となるためには、救急救命士がさらに、気管挿管に関する講習を受講、全身麻酔症例において30例以上気管挿管を成功実施した後、認定を受ける必要があります。徳島大学病院においては、2009年より救急救命士を受け入れ、患者様を対象とした全身麻酔症例における気管挿管の実習を行っています。
1991年から施行されている救急救命士法の第2条によると、「救急救命士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。」とあります。
さらに、第3条および第34条には「救急救命士になろうとする者は、救急救命士養成所において、必要な知識及び技能を修得し、救急救命士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければなりません。」とあります。
このように、救急救命士は資格を受けた後、医師の具体的な指示の下で特定医療行為を行うことが認められています。しかしながら、逆に言えば救急救命士法第 44条にあるように、「医師の具体的な指示を受けなければ、厚生労働省令で定める救急救命処置を行ってはならない。」ということになります。
実際業務としては、心肺停止状態の患者に対する、人工呼吸や心マッサージがあり、医師の指示の下の特定医療行為としては、救急救命士法施行規則(1991年施行)第21条および厚生省告示に、心肺機能停止状態の患者に対するもの処置として以下のことが明記されました。
その後、心肺停止の時間をできるだけ短くし、早急な救命処置の開始が人命救助につながることが明らかになるにつれ、2003年に「半自動除細動器による除細動」が医師の包括的指示で行う事が可能となり、2004年該当行為認定取得者「気管挿管認定救急救命士」による気管挿管、2006年に「薬剤投与認定救急救命士」によるアドレナリン(エピネフリン)投与が認められるようになりました。
病院実習にさきがけ基礎(座学)講習を受講し、所定の試験に合格、受講終了認定を受ける必要があります。その後、徳島県メディカルコントロール体制推進協議会と調整のうえ指定病院にて実習を行うことになります。指定病院の病院長が実習を認め、患者の同意・理解(インフォームドコンセント)を得た全身麻酔症例の患者を対象として気管挿管を実施し、30例以上の成功症例を経験することが求められています。
気管挿管認定救急救命士に認定を受けた後は、救急医療現場において「異物による窒息の心肺停止事例」、「その他、指導医が必要と判断した事例」の心肺停止患者のうちラリンゲアルマスク・食道閉鎖式エアウェイで気道確保ができない患者を対象として気管挿管を実施することができます。
現在、徳島大学病院においては気管挿管認定救急救命士を育てるため、定期的に救急救命士を受け入れ気管内挿管の訓練実習を行っています。病院長が認可した救急救命士が、麻酔指導医・専門医と共に全身麻酔を受けられる患者様のもとへ、手術前々日もしくは前日に回診へ伺います(当日麻酔を担当する麻酔科医の回診・説明とは別に訪問します。)。このとき、救急救命士について、気管挿管について、訓練実習を行う意義と危険性について説明させてもらいます。これらの説明の後、御理解が得られ、同意をしていただいた患者様にだけ手術当日に、麻酔指導医・専門医の監督の下、救急救命士が気管挿管を行うようになっています。訓練実習への同意は患者様の任意であり、同意をいただけない場合においても診療上何ら患者様が不利益になるようなことは生じません。また、一度同意をいただいた後も、実習開始まで同意を取り下げることも可能です。
連絡先 麻酔科医局 088-633-7181
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