麻酔・疼痛治療医学分野 医学部生教育

医学科クリニカル・クラークシップにおける麻酔科実習オリエンテーションガイドです。実習内容や時間は週によって流動的に変更になることがあるため、実際の実習は初日当日のオリエンテーションに従ってください。

クリニカル・クラークシップ

I. 実習の注意事項

  1. 初日が月曜の場合は7:40より手術部医局で朝のカンファレンスを実施しておりますのでこれに参加できるよう集合してください。
  2. その他は毎日8:00に手術部控室に集合して下さい。
  3. 手術室に入室の際は男女更衣室より入り、更衣室に用意されている手術着に着替え、学生用の帽子(白色)、ディスポーサブルマスクを正しく着用して下さい。清潔スリッパに履きかえて入室して下さい。貴重品は更衣室のロッカーに入れて下さい。
  4. 麻酔科の実習生が区別できるように、学生名札を手術着に付け手術室に入室して下さい。
  5. 手術室内は清潔区域ですので、不必要なものは極力持ち込まないようにして下さい。荷物類は手術部のロッカーに入れて下さい。
  6. 実習中は担当医または監督の指示に従い、席を外すときは許可を得てからにし、自分勝手な行動は慎んで下さい。
    7.クリニカル・クラークシップは系統講義のように知識が一方的に教授される性質のものではありませんので、実習中は担当医に積極的に質問し,主体性をもって学習して下さい。

Ⅱ. 実習担当責任者

徳島大学大学院医歯薬学研究部 麻酔・疼痛治療医学分野
田中 克哉 教授・徳島大学病院手術部・川西 良典 助教(教育主任)

Ⅲ. 運営指導体制

教授 1名、准教授 2名、特任教授 1名、講師 1名、特任講師 1名、助教 6名、特任助教 3名(手術部、地域医療人材育成講座を含む)

現在、15名以上の日本麻酔科学会指導医・専門医が在籍しています。
毎日、各学生に実習担当教官を選任し日々の手術室の麻酔を指導します。
また、担当教官が実習・外来・講義・試問を担当し学生を指導します。

Ⅳ. 麻酔科実習オリエンテーションガイド

  1. 初日が月曜の場合7:40に手術室医局に集合して下さい。カンファレンス実施後オリエンテーションを行います。
    クリニカル・クラークシップの実習表配布。
    口頭試問用症例カードを選択して下さい、その症例について金曜日午後に口頭試問を行います。
    麻酔実習担当患者を決定していますので確認してください。
  2. カンファレンス。
    手術部控室にて毎日に8:00開始しています。全員参加して下さい。
    当日の症例について検討を行います。担当症例に対し理解を深めるようにして下さい。
  3. 麻酔実習(導入・維持)。
    手術室廊下のモニターにて手術室番号を確認、搬入5分前には入室し待機して下さい。
    手術室入室後、担当教官にまずは自己紹介して下さい。
    麻酔導入が一段落したら説明、解説を行うので積極的に質問するようにして下さい。
    手術室内の清潔、不潔の区別に注意して、手術進行の妨げとならないようにすること。
  4. クリニカル・クラークシップ実習表。
    各担当教官に終了後、実習表にサインを記入してもらうようにして下さい。
    実習内容を簡便に記載(病名、術式、手技内容など)して下さい。
    金曜日の実習終了後、試問担当教官に提出して下さい。
    祭日がある場合は、斜線を引いて「祭日」と記述しておいてください。
  5. 気道確保実習。
    月曜日11:00に手術部医局に集合して下さい。
    実習日が変更になることもあるので実習当日確認して下さい。

      IMG_0965学生教育

  6. 硬膜外麻酔実習・小講義。
    担当教官に場所・時間を確認し遅れないように集合して下さい。
  7. 麻酔実習(覚醒)。
    月曜日・火曜日の午後の実習後、手術室にて麻酔の覚醒を見学します。
    午後の実習担当教官が麻酔担当監督に連絡を取り、場所を指示しますので集合して下さい。
    その後は、当日の麻酔担当監督・副監督の指示に従ってください。
  8. 麻酔科外来。
    希望により日程を調整します。見学希望がある方は初日に申し出てください。
  9. ペインクリニック外来。
    希望により日程を調整します。見学希望がある方は初日に申し出てください。
  10. 口頭試問。
    金曜日午後に口頭試問を行います。
    担当教官に場所・時間を確認し遅れないように集合して下さい。
    口頭試問用症例カードについて症例をまとめ、麻酔法、合併症、管理上の問題点などについて発表して下さい。
    試問終了後、症例のまとめを担当教官に提出して下さい。

V. 週間予定

シラバスを参照してください。

 

Ⅵ. 実習ユニット

麻酔管理

一般目標 (GIO):
麻酔管理について理解し、基本的診療に必要な手技や知識を習得する。

行動目標(SBOs):

吸入麻酔薬
  • 吸入麻酔薬の種類、特徴、副作用について説明できる。
  • 血液/ガス分配係数について説明できる。
  • 最小肺胞内濃度(MAC)について説明できる。
静脈麻酔薬
  • 静脈麻酔薬の種類、副作用について説明できる。
  • バルビツレートの特徴について述べることができる。
  • プロポフォールの特徴について述べることができる。
オピオイド
  • オピオイドの種類、特徴、副作用について説明できる。
  • オピオイドの循環系、呼吸系への影響について説明できる。
筋弛緩薬
  • 筋弛緩薬の種類、特徴、副作用について説明できる。
  • 拮抗薬の作用機序および使用方法について述べることができる。
局所麻酔薬
  • 局所麻酔薬の種類、特徴、副作用について説明できる。
  • 局所麻酔中毒の診断、治療について述べることができる。
輸液と輸血
  • 晶質液の選択と投与量について説明できる。
  • 人工膠質液の適応や合併症、投与量について説明できる。
  • 自己血輸血の方法について列挙できる。
  • 輸血合併症を列挙できる。
術前評価
  • 術前検査の評価ができ、その意義について説明できる。
  • 病歴、診断に関する身体所見をとれる。
  • 気道に関する身体所見を取れる。
麻酔器
  • 医療配管の塗色とボンベの塗色の違いを説明できる。
  • 人工呼吸条件を適切に設定できる。
  • 従量換気、従圧換気の特徴について説明できる。
モニタリング
  • 心電図波形のもつ意味について説明できる。
  • パルスオキシメータの原理について説明できる。
  • 酸素解離曲線の概略を図示できる。
  • カプノグラムの正常な形を図示し、その波形の成因について説明できる。
  • 異常なカプノグラムの波形を図示し、その原因について説明できる。
麻酔深度のモニタリング
  • MACの概念について説明し、主な麻酔薬のMACを述べることができる。
  • BIS測定の意義と応用について述べることができる。
気道管理
  • 換気困難・挿管困難を評価できる。
  • 気道が正常な患者でマスク換気ができる。
  • ラリンジアルマスクについて説明できる。
  • 気管挿管について説明できる。
  • 適切な気管チューブの種類やサイズを選択できる。
  • 適切な喉頭鏡や喉頭鏡ブレードを選択できる。
  • 抜管の基準と手順を説明できる。
血管確保・血液採取
  • 末梢静脈路を確保することができる。
  • 動脈血を採血することができる。
脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔
  • 脊髄くも膜下麻酔の適応と禁忌について述べることができる。
  • 硬膜外麻酔の適応と禁忌について述べることができる。
  • 脊髄、くも膜下腔、硬膜、硬膜外腔の解剖について概説できる。
  • 心血管系および呼吸器系に対する影響について説明できる。
  • 合併症、予防法、治療について説明できる。
  • 脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔の長所および短所を説明できる。

ペインクリニック外来

一般目標 (GIO):
ペインクリニック外来における疾患とその対応について学ぶ。

Ⅶ. 評価法

実習担当教官が研修態度、知識・技術の修得度などを総合的に評価します。

クリニカル・クラークシップ実習表(43KB)(PDF)

医局連絡先

手術部医師控室(内線 9191)
麻酔科事務室(内線 2387)
教育主任 川西良典
E-mail: kawanishi.riyosuke@tokushima-u.ac.jp